風に吹かれた奇跡


「うっわぁ。さっきより人多い。」
人の多さにびっくりしている。
俺は見慣れているからそんなに多いと思わないけど。

「これ迷子になる。」

確かに美羽はこの人混みの中に入っていったら迷子になりそう。

「じゃあ電話番号交換する?」

「あー、したいのは山々なんだけどわたし携帯持ってないんだよね。」
いまどき珍しい子だな。

「じゃあ。」
そう言って美羽の手をとった。

「だ、大樹くん!?」
突然手を繋がれて戸惑っている。

「だってこうしないと美羽はぐれちゃうでしょ?」

「う...うん。そうだけど...。」

「じゃあ大人しくしてて。」

美羽の手をひいて人混みにはいっていった。
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