風に吹かれた奇跡
「美羽?どうした?」

「わっ、わたしねっ、明日本当は手術するの。」

こんなこと言わないつもりだったのに無理だよ。大樹くん優しいもん。

「ほんとはね、病気、全然よくないの。だから手術することになったの、でも、成功率低くて。」

泣きながら、みっともなく泣きながらはなした。でも大樹くんは真剣に聞いてくれる。

「わたし明日死んじゃうかもしれない。」
口に出して言ったその言葉は自分で自分を苦しめた。


震えた。怖くて震えが止まらなかった。

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