風に吹かれた奇跡
「なにそれ!」

急に敦が起きあがった。

「また、ラブレターもらったのか?」

「これは違うよ。昨日拾った。」

「は?拾ったってなんだよ。」

「なんでもいいだろ。」

「そこまで聞いたら気になるじゃん。話せよ。」

「話せよって言ったってただ、拾った風船についてただけの話だよ。」

「なにそれ!おもしろ!ちょっと返事返してみろよ!」

「なんでお前のいうこと聞かなきゃいけねーんだよ。」

「だって奇跡じゃん。信じるしかなくね?」

「信じるも信じないも俺の勝手だろ。」

「えー、じゃあ、信じなくてもいいから手紙書けよ。」

「お前に指図されて書くなんて嫌だ。」

「じゃあ、書くのやめとけ。」

「急に意味わかんねぇ。」

「これでお前は書いても書かなくても俺の言いなりだな!」

「うざ。」


キーンコーンカーンコーン

「やべ、チャイムなった。教室帰ろーぜ、大樹。」

「もう、授業出たくない。サボる。」

「じゃ、俺もサボろっと。」
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