風に吹かれた奇跡
校門をでるとニヤニヤしながら敦が待っていた。

「で、なに?」

「実はな……昨日俺に彼女ができたんだ!」

「ふーん。」

「え!もうちょっと興味もってくれてもよくない?ま、いいや。名前は小林真奈。クラスは隣の3年B組。めちゃくちゃ美人で、性格はっきりしてて、運動得意で……」
こいつ、止めなかったらずっとのろけてそうだな。

「まぁ、要するにベタ惚れしてんだろ。」

「そういうこと!」

「よかったじゃん。」

「うん。マジでよかった。大樹も頑張れよ。」

「なにが?」

「昔、色々あったじゃん。」

「あー…うん。」

「なんか、うまく言えねーけどそういうこと!でも、無理すんなよ。」

「あぁ。頑張るわ。」
< 28 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop