風に吹かれた奇跡
家について手紙を書き始める。

『お手紙ありがとうございます。

俺も葉村さんと文通続けたいです。

それより同い年なんですね!じゃあ、葉村さんも受験するんですか?


1つ聞きたいんですけど、俺が危ない人だって思わないんですか?男子高校生になりすましてる変な中年のおっさんかもしれませんよ?

田村大樹』

手紙になると本当の自分が出せる気がする。

女達に見せてる表の顔じゃなくて、敦といるときの裏の顔よりももっと素の自分。

封筒にのりづけして、机の上に置く。

もう今、夜中の1時だということに気づいて俺は眠りについた。
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