風に吹かれた奇跡

「いつから入院してるの?」

「いや、だからそれは...冗談。」

「嘘はいいから。」
もうこの子に嘘ついてもダメな気がした。

「...小学2年生のときくらい。」

「学校行けてないのは?」

「中3の時。」

「ほら、頑張ってんじゃん。」
どうしてこの子はこんなことを言うのだろう。

「...なにも頑張ってないよ。」

「頑張ってるじゃん。だってさ、私らまだ高校生だよ。遊びたい盛りじゃん。それで、中3の時から入院しててやりたいこと満足に出来ないわけでしょ?すごいよ。本当はやりたいことたくさんあるんじゃない?なのに我慢して、笑ってその優しさもってるのは。」
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