風に吹かれた奇跡
「大樹のこと一番よく知ってるのはあたしなのに。」


えーっと。なにこいつ。

「大樹の本性知ってるのあたしだけだもん。
そう思わない?」

いや、思わない。

「敦だって俺の本性知ってる。」

「女子でだよー!」

「敦の彼女も知ってる。」
敦にばらされたからな。

「えー?そうなのー?でもその子は大樹のこと好きじゃないでしょ?」

まぁそうだろうな。

ていうか、ほんとに何なのこいつ。呆れて何も言えなくなる。

「あ、でもさ、これは知らないでしょ?」

「は?」

「大樹のお母さんのこと。」

俺の中でなにかがきれた。

「そのこと知ってるのは女子であたしだけじゃない?だって小学生のときから一緒で「黙って。」
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