風に吹かれた奇跡
目が覚めると一番最初に見えたのは杏ちゃんの顔だった。

「美羽!?起きたの!?今先生呼んでくるね!」

軽く頷いた。

口にはずっとつけてなかった人工呼吸器がついてる。

あぁ、わたし倒れちゃったんだな。また迷惑かけちゃった。

「美羽ちゃん。」

先生が病室に入ってきた。

「発作、久しぶりに出たね。」

「はい。わたしが先生のいうこと守らないで走ったから…。」

「走っちゃったのか。わかった。でも多分それだけじゃない。…あ、友達には出てもらうかい?」

先生の後ろを見ると杏ちゃんが心配そうに私を見ていた。
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