風に吹かれた奇跡
「大丈夫です。」

「そっか。美羽ちゃんの心臓は確実に悪くなっていってる。前にも言ったけど多分手術が必要になる。」

「わかりました。」

「今はまだ大丈夫だけどそのこと、考えておいて。じゃあこれで失礼するよ。」

「はい。ありがとうございました。」

先生が病室から出ていった瞬間、杏ちゃんがかけよってきた。

「美羽…。手術って…。」

「あのね、わたし多分手術しないと死んじゃうくらい悪くなってるんだよね。」

「そっか……。そんな大事な話、私が聞いてよかった?」

「杏ちゃんには聞いて欲しかった。」

「ありがと。美羽。」

「ううん。わたしも心配かけちゃってごめんね。」

「ほんとだよ!すっごく心配したんだから!もうこんなに心配かけないでね!」

「うん!」

「じゃあ私、もう遅いから帰るね。じゃあまた明日!」

「うん!バイバイ!」
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