ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。
「敵意丸出しってことか。ま、頑張れよ」
真田くんの挑発的な言葉を聞き、私の腕を握る大河の手に力がこもるのがわかった。
「大河、あのっ……」
彼がこうしてほかの生徒の目があるうちに私を『栞』と呼び、接触してくるのは初めてだ。
「悟。悪いけど先行く」
「あっ、うん、わかった」
本山くんも大河の行動に驚いている様子で、大河から荷物を受け取り、私たちをポカーンと見送った。
大河はそのまま私の手を引き、ちょうどやってきた電車に飛び乗った。
「大河、痛いよ」
手のあとがついてしまいそうなほど手首を強く握られて思わず漏らすと、彼はやっと離してくれた。
それからはドアの前に立ったまま視線を外に向け、なにも言わない。
また真田くんと接触したから、怒ってるんだ。
「真田くんに会ったのは、偶然だよ」
あの試合のときも、今日も。
真田くんの挑発的な言葉を聞き、私の腕を握る大河の手に力がこもるのがわかった。
「大河、あのっ……」
彼がこうしてほかの生徒の目があるうちに私を『栞』と呼び、接触してくるのは初めてだ。
「悟。悪いけど先行く」
「あっ、うん、わかった」
本山くんも大河の行動に驚いている様子で、大河から荷物を受け取り、私たちをポカーンと見送った。
大河はそのまま私の手を引き、ちょうどやってきた電車に飛び乗った。
「大河、痛いよ」
手のあとがついてしまいそうなほど手首を強く握られて思わず漏らすと、彼はやっと離してくれた。
それからはドアの前に立ったまま視線を外に向け、なにも言わない。
また真田くんと接触したから、怒ってるんだ。
「真田くんに会ったのは、偶然だよ」
あの試合のときも、今日も。