ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。
「桜花に近づくなと言わなかったか？　『応援ありがとう』って、どういうことだ」


話の内容も聞こえてたんだ。


「秋季大会の決勝を見に行ったの。スコアつけの練習がしたかったし、優勝争いをする学校はなにがすごいのか知りたかった」


私は秋季大会の決勝が見たかっただけで、桜花の試合を選んで見に行ったわけじゃない。


「へぇー、栞も嘘をつくようになったんだ」

「嘘なんて……」

「もう、いいよ。真田の応援がしたいなら、マネージャーやめてくれない？」


そんな……。
大河のひと言が胸に突き刺さり、じわじわと私を苦しめる。


「……そんなのひどい。真田くんはケガで出てなかったし、観客席で偶然会っただけ。私は旭日のためになればと……」

「もう黙れよ！」


こんなに低い大河の声を聞いたのは初めてだった。

どうしてわかってくれないの？　
私はずっと大河の活躍を願っているのに。大河のことで頭がいっぱいなのに。
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