ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。
朝の電車は通勤、通学ラッシュより早めなので座れることが多い。
隣に座った彼の肩が時々ぶつかるたびに、私がドキドキしていることなんて、きっと気づいていない。
同じ時間を共有しすぎて、もはやこのくらいは当たり前のことで、彼にとって私は“空気のような存在”なのかもしれない。
私は……そうじゃないのにな。
彼が野球に打ち込めば打ち込むほど太くなっていく筋肉は、小さい頃の柔らかかった体に比べると男らしく、袖をまくろうものなら、そこから伸びる腕に視線が釘付けになってしまう。
しかし、少し力を入れるだけで筋肉の筋がスーッと通り、彼が男であることを意識してしまうと、照れくささのあまり、いつもおどおどするはめになる。
私よりずっと大きな手は関節が太く、その指に少し触れられただけで心臓が激しく暴れ出す。
けれど、そんなことを考えていると知られるのは恥ずかしいので、絶対にバレないようにしなくちゃ。
隣に座った彼の肩が時々ぶつかるたびに、私がドキドキしていることなんて、きっと気づいていない。
同じ時間を共有しすぎて、もはやこのくらいは当たり前のことで、彼にとって私は“空気のような存在”なのかもしれない。
私は……そうじゃないのにな。
彼が野球に打ち込めば打ち込むほど太くなっていく筋肉は、小さい頃の柔らかかった体に比べると男らしく、袖をまくろうものなら、そこから伸びる腕に視線が釘付けになってしまう。
しかし、少し力を入れるだけで筋肉の筋がスーッと通り、彼が男であることを意識してしまうと、照れくささのあまり、いつもおどおどするはめになる。
私よりずっと大きな手は関節が太く、その指に少し触れられただけで心臓が激しく暴れ出す。
けれど、そんなことを考えていると知られるのは恥ずかしいので、絶対にバレないようにしなくちゃ。