冷めた心に、暖かい日差しを...
涼夜side
僕は、澪凛ちゃんの部屋を出た後
柚月先生と廊下を歩いていた
「...澪凛ちゃん、心配です。」
柚月先生は 独り言のように呟いた
僕も 心配だ、するなと言われる方が無理な程 彼女の瞳は真っ暗に闇に覆われていた。
頭痛も吐いた事も 絶対に言わないし
熱も 我慢してる 辛くないのだろうか?
辛ければ、普通は僕らに言うのに
その為に 医者はいる
「僕も心配だよ、あんな子 初めて見たよ。」
「私も、始めてでした。
彼女を見てると心配になります
また 壊れてしまうのではないかと思ってしまいます。」
澪凛ちゃんのファイルを最初に見た時
目を疑った、自殺をしてこの病院に運ばれたという事を知ったから
そして、喘息と心臓病、貧血も良くあるらしい 弱い体を持ち合わせている。
「ナースコールしたの見たことないです」
その言葉を聞くと 背筋がゾッとした
知らない内に 彼女が苦しんでいるのかと、悪化してる可能性もある
先輩である、鏡御先生も澪凛ちゃんを
避けているし
検温も、様子見も 僕に任される
本当なら 鏡御先生のようになるのだろうけど...僕は 不思議と見放したくなかった
見放してしまえば、それこそ危険なことになる。
それに、僕は 一目惚れした
あの紺色のストレートのボブ
透き通る白い肌と華奢な体
彼女の強がりも、あの闇の雲った瞳も
護りたい。
話してくるのを 待っては
何時か爆発してしまう......それだけは、避けたい。