冷めた心に、暖かい日差しを...



知らずに寝ていた 目を開けると
部屋は夕方の太陽に照らされていた





起き上がると、少しクラっとして
まだ 頭も痛かった 寧ろ増していた



しかも、体が熱いことにも気付いてしまった。




はぁと吐く息は 少し温かった。





また、私は頭まで布団に潜った直後
ガラッとドアが開く音がした...





「澪凛ちゃん、調子はどうかな?」






声の主は、爽波先生だった





答える気にもなれず 寝た振りをしたけど
布団を捲られた



流石 男の人だ、私の力なんてビクリともしない





「顔色悪いね、熱ありそう」





私の体調を見抜く、爽波先生の瞳は
何でも見透かされそうに澄んでいた。





「言えばいいのに...」





彼は、白衣の内ポケットから体温計を
私に差し出した。




測らなくていいのに、構ってくれなくていいのに 彼の優しさに嫌気が指すのを心に閉まった




何時までも 受け取らない私を無理やり
体温計を挟もうとする手を払った





「測らなくていいので、どうぞ行ってください。」





「そんなわけに行かないだろう。」




私の体を固定して、脇に体温計を挟んだ
嫌だったけど 取り敢えず黙った



これ以上の抵抗は 無駄だと察した。



暫く、静かな空間になった
その時 体温計の音が鳴った。




「...38.5℃か、点滴しよ」




と、優しく言い部屋を出て
その2分くらいで 点滴を持って戻ってきた





戻って来なくていいのに....





「刺すね」




腕を消毒し、点滴の針が刺さる
ずっと黙っている 私を寝かし布団を被せ
「安静にね」と言って 出ていった



その直後に 点滴を布団の中で抜いた
そんなの私には 日常茶飯事




その前に抜かなかったのは、たまたま
何時も 私は抜く


治すため、なんて 私には通じない。






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