冷たい彼に恋をしました。。
あれ、亀井くん、固まってる?


私、変かな?


「下どうした?」

下?


「あのね、借りた下の方は大きくて履けなかったから、上だけ借りたんだけど。」



どうしょう。固まってる‼


「本当、無自覚だよね、陽菜ちゃんは。ってか、なんであんな時間にあんなとこいたの?

先輩は?付き合ってるんだろう。」


「‥‥‥‥先輩とは、付き合ったけど、別れて言われたから」



気持ちが沈む。


ガタン、と、立ち上がった亀井くんは驚きを隠せない。

「なんで?あんなに好き合ってたのに?」



好き合ってた?


違う違うよ。


私ばっかり好きだった。


どうしょうもなく好きだった。



私の気持ちばかり強すぎて、結局こうなる運命だったの。



「違うよ。


どうしょうもなく好きだったのは、私だけだった。


先輩は、彩未のことが好きだっただけ。」



「彩未?」


亀井くんは彩未を知らない。


「これが彩未だよ。私の双子の姉。彩未は、植物人間だった。


つい、さっき目を覚ました。彩未の彼氏は、郡先輩だった。


私は、彩未が目覚めるまでの間の彼女だったの。


彩未が、目覚めたら、私なんていらなかったんだよ。


私は………私は!!!」



フワリ、と身体を抱き締める亀井くんがいた。



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