彼女が消えるその瞬間まで





「翼くーん」


昼休み、姫百合が満面の笑顔で俺に近づいてきた。



…………嫌な予感…



「今日、一緒に帰ろっ!」



予感的中………



「嫌だ」



「えぇ!?どうして!」



俺がいいよーとでも言うと思っていたのか、彼女は大いに驚いていた。





「お願い!今日だけだからさ」


彼女が両手を合わせて、上目づかいで頼んできた。



俺は反応するのもめんどくさくなったので、そっぽを向いて無視をした。







「むむむむ……どうしてもいいよって言ってくれないなら……!」


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