彼女が消えるその瞬間まで
「はぁ。お前ん家俺んちと反対方向なんだな」


額からは汗が流れてきた。彼女があまりにも俺手を引っ張って走るので、息が上がってしまった。



「あはは、ごめんねー。どうしても来てもらいたかったから!」




俺は今、彼女の家の前にいる。


なぜこうなったのかと言うと、舞台は学校の昼休みに遡る。









「翼くん。うちに来てよ!」



ニヤニヤしながら彼女は突然言い放った。俺は彼女を不思議そうに見た。



「何で?めんどいよ」



俺が冷たく言うと、彼女は頬を膨らまして、不機嫌そうに机を叩いた。



「遊びに来てほしいの!!」



「何で?どーせ、暇だからっ!とかじゃないのか?」




彼女は黙った。ほら、図星だろ。

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