彼女が消えるその瞬間まで
「家に誰かいるの?」


「お母さんだよ」


「それってまずくない?」


「え?どうして?」



姫百合は気にしない気にしないと言って。階段を上がって行った。



そういうことを、彼女に訊いた俺が間違えだったのかもしれない。




はぁ。




俺はまた一つため息をついて、彼女の家におじゃました。


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