彼女が消えるその瞬間まで
俺は、明日高校の入学式だ。


俺の行く、高校は進学率100%のいたって普通の高校だ。



正直、俺は将来のなりたい職業とか、叶えたい夢とか、そんなたいそうなものはあいにく持ち合わせていない。




将来は、ただ普通の公務員になって、結婚して、最後は死ぬ。
そんなつまらない人生を送るであろう。





「翼。あなたは………」




「……」



「…いいえ。何でもないわ」



母さんは何か言いかけそうになったが、引きつった笑みを零していた。






. .
何を言いかけたのか、大体検討はつく。チラッとアレを見ていたからな。





……やるものか、絶対。あんな辛いもの。


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