彼女が消えるその瞬間まで
「姫ちゃーん、翔くんから呼ばれてるよー」


教室の方で姫百合の友達が叫んでいた。


彼女は本当に松ちゃんに似て人気者だなと思った。



「おっけーい!じゃあね翼くん、松村くん」



彼女は笑顔で小さく俺たちに手を振ると、すぐに背を向けて教室から去っていった。



やっと、静かになったな。








「なぁ、翼。お前と夏川って付き合ってんの?」



「はぁ、何でそうなるの?付き合ってないよ」





…………………まだうるさそうなのがいたな。



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