for you.
でも、隼は、付き合ったことあるんだっけ。
隼とは、まだ物心ついてない時からと幼なじみだった。
母親同士が親友で、父親同士も幼なじみだ。
隼にはなんでも話せた。いつも一緒だった。
中2の時、俺が初恋をした時すぐ相談した。
隼にはその時、1つ上の彼女がいた。
その彼女は、いろんな男をだましてきた、最低な女だった。
それでも隼はいつも笑って許した。
゛大丈夫。俺は味方だからね。゛
けど、その彼女は、だました男の中の1人に殺されてしまった。
その時からかな。
隼の顔から笑顔が消えた。
笑ってるのか笑っていないのかすらわからないような表情をすることが増えた。
そして、女に目を向けることもなくなっていった。
だから隼に好きな人ができるなんて、思ってもみなかった。
隼からすれば、俺もそうなんだろうけど。
そうやって、時間が過ぎると同時に幸せを噛み締めていた俺は、まだ。
まだ、何も知らなかった。