王族ワガママ皇子(8才)は生きる。
始めまして、皇子様。
新世界と、酔い。
「ふぅ、王都は遠かったなぁ。まぁ馬車で来たからだいぶ楽だっ・・・うっぷ」
(うう、道ガッタガタで思いっきり酔ったけどね!)
近くの壁にもたれ掛かり、重たいバッグを下ろし水を取り出してゴグゴクと飲み干した。自分が住んでいた南の地より、王都はだいぶ気温が高く眩しい太陽がじりじりと照りつけてきて、水はすっかりぬるくなっていた。
「あー、やっぱり付き人は連れてくるべきだったかな。荷物は重いし、暑いし、お腹は空いたし」
「って言っても仕方ないかぁ、これは運命、決められた話っ!」
(私が仕える人は将来の王候補、すごくいい子って言われてるらしいし、大丈夫なはず。さっさと王宮に行こう・・・)
< 1 / 35 >