王族ワガママ皇子(8才)は生きる。

「あ、ユーティリア様。私は明日から3ヶ月ほどお暇を取る事になりましたので・・・」


「そうなんですか?!」

「はい・・・実は母が倒れまして、その」



口ごもるエイデンさんに、にこっと笑い自分の胸に手を当てた。




「分かりました、では後の事は私に!任せてください」

「有り難うございます、ユーティリア様。ルイス皇子にはもうお伝えしているので・・・あぁ、今日は荷造りをする予定なので、もう失礼致しますね。あ、こちらどうぞ」






そう言われて何かの資料か数枚の紙が入ったファイルを手渡され、エイデンさんはルイス皇子に挨拶をして出ていった。

(何だろうこれ、ビッシリ書き詰められてるけど・・・)



じーっと紙を見つめていると、小さな暖かい手にぐいっと腕を引っ張られた。



「おいっ!」


「え、あっ、すみません。皇子」


振り向くとむすーっとした顔でほっぺたを膨らませて皇子が立っていた。


「おい、お前なまえはなんだ?」
「あぁえっと、お初にお目に「あいさつはいらんっ!なまえ教えろ!」



「ソフィー・ユーティリアです・・・が」



「ふーん、じゃあソフィーなっ!」

そう言うと皇子は、再び玩具の剣を2本持ってきて、一本を私に渡した。



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