王族ワガママ皇子(8才)は生きる。
「皇子ー、足早いですよー!はぁはぁ・・・」
あっという間に駆け出していった皇子は走るのが早く、私はぜぇはぁと肩で息をしながらようやく追い付いた。
「ったく、おそい・・・ソフィーはおばさんだな!」
「お、おばっ?!さ、さすがにそこまでの年じゃ・・・私はまだ、だって・・・」
「おーいっ!エイデンーっ、出てこーいっ!」
戸惑う私に対して、皇子はエイデンさんの部屋の扉をどんどんと叩いた。
「あ、皇子そんなドンドン叩いたら・・・」
あまりに扉を強く叩く皇子を止めようとすると、扉がガチャっと開いた。
「どちら様で・・・って、皇子?!ユ、ユーティリア様もっ、何故こんな所に・・・」
エイデンさんはとんでもなく慌てていて、執事服を脱いでいたのか黒の燕尾服やネクタイは見当たらず、シャツにベストという格好だった。