王族ワガママ皇子(8才)は生きる。
「皇子ーっ、どこですかー?!」
すれ違うメイドさん達に見られながらも、大広間に響く声で皇子を探す。
「う、うるさい・・・」
「あ、皇子いたっ。探しましたよー」
近くのカーテンに隠れていたらしい皇子は、ゆっくりを顔を覗かせた。
「・・・恥ずかしかったんですか?」
私がにこにこ話しかけると、皇子は耳を真っ赤にした。
「べ、べつに・・・ていうか、ニヤニヤするなっ!」
「えー、してませんよー?」
「してる!ニヤニヤするなっっ!」
皇子の緊張がなんとなく解れた所で、話を持ちかけた。
「戻りますか?エイゼンさんの部屋」
「・・・も、どる」
「じゃ、お手々繋いでいきましょうかー皇子?」
「お前っ、バカにしてるだろっ。俺は王族なんだからなっ!」
「分かってますよ、皇子」
にこにこ笑いながら皇子と手を繋ぎエイゼンさんの部屋に向かった。