王族ワガママ皇子(8才)は生きる。
ノア・クリスティン。
コンコンとドアをノックする。
「ノア、私です。開けてもいい?」
「・・・・」
「入るね」
返事が来ないけれど、恐る恐るでも確かな意思は持ちながらゆっくりとドアを開ける。ソファに足を組んだノアが待っていた。
「ノア・・・?寝てるの?」
カーテンを締めきった部屋に、微かに寝息が聞こえた。
よく見ると、サラサラの黒髪を風になびかせながら、しかめっ面でノアは寝ていた。
(足組んで寝てる、体痛めちゃうよ・・・)
「ノア、起きて」
ゆさゆさとノアの体をゆらす。
「・・・・・・」
「あ、起きた」
精一杯の笑顔で、私はノアに「おはよう」と笑いかける。