王族ワガママ皇子(8才)は生きる。
「別に」
ノアがそっぽを向いたと同時に、ドアがコンコンとノックされ、メイドさんが顔を覗かせた。
「はい、どうぞ」
「失礼致します・・・あの、ルイス皇子が」
「ルイス皇子ですか?あ!もうこんな時間っ!」
慌てて立ち上がる私。
「ごめんなさい、ノア。もう行かなくちゃ」
「おい待て、まだ話は終わってない」
ノアにがしっと腕を捕まれ、強い力に身動きがとれない。
「だ、だって、皇子が待ってるの。話なら夜に・・・ね?どうせ泊まって行くんでしょう?」
「・・・チッ、当たり前だろ。一晩かけて来たのにまだ帰れるか」
ノアは一瞬顔を歪め腕を離してくれた。私はメイドさんにノアの事を頼み、皇子の部屋へ向かった。