王族ワガママ皇子(8才)は生きる。
ぐるぐると長い螺旋階段を登り終えて、ドレスを翻しながらお妃様が喋り始めた。
「せっかくなので王宮のご案内をして差し上げたいのですが、今日は午後から公務がありまして、申し訳ありません・・・ですが、ユーティリア様も長旅でお疲れでいらっしゃるでしょうし、長話はまた後にして、今日はどうぞお部屋でおくつろぎください」
「お妃様のお心遣い、有り難うございます・・・うっ」
(そう、さっきの螺旋階段でまた酔いが戻ってきた気がします。休みたい・・・)
「あらあら、大丈夫ですか?お顔色が宜しくないんじゃ」
「へ、平気です。少し酔いが・・・酔いが・・・うっ」
お妃様に心配されながら、俯くと、いかにも高級そうな刺繍が施された真っ赤な絨毯。
「あらあら、本当に大丈夫ですか?お部屋にご案内致しますから、ゆっくりお休みを・・・」
「あ、有り難うございます、お妃様・・・」
そうして、客室であろう部屋に案内された私は、お妃様にお礼をいい、真っ先にトイレに向かっていった。
「ふぅ・・・スッキリしたー」