赤色切断
柊瑠璃編

恵実が帰って行く。

私もついて行く。

どんどん距離を縮めながら、足音を揃え、息を殺し…

少しずつ、少しずつ、

予め家庭科室から持ち出していた果物ナイフで、

指紋を付けないように持ち、

小さな背中を刺す。

ベージュのセーターが、赤黒く変色していく。

もう1度、

果物ナイフに赤い絵の具のような血が付く。

初めて人を殺した。

初めて人を壊した。

でもこれは仕方がない。

私と日向くんの為なんだから。
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