直感的結婚～恋はこれから～
社長の意見に同意すると隣の彼がパッと私を見る。

思わず私も彼を見てしまい、目が合う。どんな表情でもこの人はかっこよくて、胸が高鳴った。でも、驚いた丸い目が段々鋭い目に変わる。


「じゃあ、君は何を考えて決めるの？」

「それはまず、相手のことを知って、恋をしてからずっと一緒といたいというか結婚したい人か考えて決めるものだと」

「そう！ まず恋をしてからだ。好きでもない相手と結婚するなんて昔のお見合いじゃあるまいし」

「虎太はさ、いちいいうるさいよね。恋なんてあとからしたっていいじゃないか？ 順番がそんなにも大事？」


後から恋をする？

この人は何を言ってるのだろう。つまり結婚してから恋をしろと？

また無謀なことを言う……。


「あとからね……まああとからでも恋をするというなら、そういう結婚もありかな」

「だろ？ 君……えっと、美琴だったよな？」


言われた名前は合っているので頷く。
< 10 / 159 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop