直感的結婚~恋はこれから~
外出から戻ってきた泰士さんに後ろから突然覗き込まれて、驚く。思わず名前で呼びそうになり、慌てて訂正した。


「うん。それ、興味あるなら明後日に依頼者と打ち合わせあるから参加する?」

「はい! ぜひ参加させてください!」


椅子から立ち上がって、張り切った返事をする私の頭を泰士さんはポンポンと叩いて笑う。


「おお、それ頭ポンポンというやつじゃないですか。こんな身近で見られるとは……っていうか、専務もそういうことするんですね」


平井さんが珍獣でも見たような感じで話す。

確かに珍しいものというか意外なことだ。私はされたことに驚いて固まっていた。

これはどう反応すべき?

恥ずかしくて顔が熱くなっていく。


「泰士も普通の男だということだろ? 家ではもっと甘々なんだろうな。ね、美琴ちゃん、家での泰士はどうなの?」


泰士さんと一緒に出掛けていた社長も見ていたらしく話に加わってくる。

ふと周りを見るとみんなが私たちに注目していた。こんな恥ずかしいことを人前でされるなんて。
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