直感的結婚~恋はこれから~
「美琴、来週結婚しよう。住むところはとりあえず俺のマンションでいいか。今のとこは賃貸だから新しく買ってもいいけど、家選びは慎重にしないとね」

「プッ! 嫁選びは直感なのに、家選びは慎重なんだ。泰士の感覚は謎だな」


私も謎だと思います。嫁選びにも慎重になった方がいいと思います。

だけど、思うだけで口に出せない私は小心者。このままでは結婚することになる……それはダメだ。


「あの、私は結婚にオーケーしていません。結婚するよりも職をなくしたので、働きたいです。すみません、突然ですが、私をこの会社に雇ってもらえないでしょうか? お願いします!」


立ち上がって、社長に向かって頭を下げた。結婚よりも仕事をしたい。


「働きたい? あーなるほど、仕事を探していたんだね」

「ダメだ、美琴は雇わない」

「どうしてですか?」

「どうしても働きたいと言うのなら、俺との結婚が条件だ。結婚しないというなら働かせない」


横暴な返事をされる。結婚したら働くのもオーケーで結婚しなかったら働くのはダメだと……つまり、結婚を了承しないと働く場所も住む場所も手に入れることな出来ない。
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