直感的結婚~恋はこれから~
結ぶ
足を一歩踏み入れただけでそこから動けずに私はいた。
「こんなすごい部屋に泊まるの初めてなので、ビックリなんですけど」
「予約するのが遅かったからここしか空いてなかったんだよ。でも、のんびり出来そうだし、いい部屋だな」
「そこ、海ですか?」
「うん。このホテルは全室オーシャンビューだからね」
ざっと部屋を見回してから窓に近寄って外を眺めると、真っ暗の中にうっすらと海面が見えた。
レースのカーテンを持っている私の手を後ろから泰士さんが握る。
すぐ近くに声が聞こえたと思ったけど、まさか真後ろにいたとは……体が強張ってしまう。
動きたいのに動けない。
もっとちゃんと部屋を見たいのに、背後にピッタリとくっつく彼から離れられない。
「あの、泰士さん」
「ん?」
「部屋を探検したいです」
「ははっ、探検ね。明るくなってからしようか」
彼は私の肩に頭を乗せて、こちらの希望をやんわりと打ち消した。
電気がついているから外は暗くても中は明るいのですがと返したくても返せる状況ではない。
「こんなすごい部屋に泊まるの初めてなので、ビックリなんですけど」
「予約するのが遅かったからここしか空いてなかったんだよ。でも、のんびり出来そうだし、いい部屋だな」
「そこ、海ですか?」
「うん。このホテルは全室オーシャンビューだからね」
ざっと部屋を見回してから窓に近寄って外を眺めると、真っ暗の中にうっすらと海面が見えた。
レースのカーテンを持っている私の手を後ろから泰士さんが握る。
すぐ近くに声が聞こえたと思ったけど、まさか真後ろにいたとは……体が強張ってしまう。
動きたいのに動けない。
もっとちゃんと部屋を見たいのに、背後にピッタリとくっつく彼から離れられない。
「あの、泰士さん」
「ん?」
「部屋を探検したいです」
「ははっ、探検ね。明るくなってからしようか」
彼は私の肩に頭を乗せて、こちらの希望をやんわりと打ち消した。
電気がついているから外は暗くても中は明るいのですがと返したくても返せる状況ではない。