直感的結婚~恋はこれから~
バスタブの縁に丸いボタンがある。


「このお風呂、ジャグジーになっているんでしょうか?」

「ああ、そうみたいだね。美琴、ジャグジーが嬉しいの?」

「はい! 気持ち良さそうですよ」


こんな広いお風呂にジャグジーまで付いているなんてものすごい贅沢だけど、早く入りたくなって、ウズウズしてしまう。

でも、まずは泰士さんから入ってもらおう。彼の方が疲れているだろうから。


「泰士さん、はや……んっ!」


彼に早く入ってと言うために振り向いた私は唇を塞がれる。

突然のキスに心臓はとんでもないくらい急速に動き出す。速すぎて壊れるのではないかというくらいに。

私の心臓の速さなんてお構いなしに彼はキスを深くさせていく。僅かに開いてしまった隙間から入ってくる舌は熱い。

私の舌は必死でそれを受け止めようとした。

いつの間にか彼の両手は私の腰に、私の両手は彼の首にと回っていて体はぎゅぎゅっと密着。

自分だけが心臓を速くしていると思っていたが、密着した彼から伝わる心臓の音も同じくらい速かった。

同じであることが嬉しい。
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