直感的結婚~恋はこれから~
パジャマをキチンと着ていくのが一番無難かもしれない。

先に出るのは私かな? 泰士さんかな?


「美琴。少し前にいってくれる?」

「前?」


洗い終わった泰士さんに後ろから話し掛けられて、振り向かずにお尻を前へと動かした。

バスタブの縁と私の間にスペースが出来る。そこへ泰士さんが入り込んで、私を包み込むように抱きしめた。

お互いの肌が密着するのは初めてだ。

恥ずかしいのだけど、触れ合うことに安心感を覚え、心地よさも感じる。


「せっかくのジャグジー、何で動かさないの?」

「忘れてました」


私の返事に彼は笑って、ボタンを押す。ボコボコと泡がたくさん出てきて、その振動でさらに気持ちよくなる。

だけど、気持ち良いだけでなく、体が熱くなる。密着しているから恥ずかしさも加わっていて熱は上昇する一方だ。

このままではのぼせてしまう。


「美琴の体、熱くなってるね。のぼせる前に出ようか」

「はい……」
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