直感的結婚~恋はこれから~
泰士さんを褒めたのは私ではなくて斗和だった。私は「うん」と笑う。

斗和は私たちの口調を真似することが多い。いろんなことを覚えてすくすくと成長している。


「そうだ、ママにプレゼントがあるんだよ」

「ほんと? なに、なに?」


斗和は幼稚園バッグを漁る。何が入っているのだろう。ワクワクしながら待っていると、小さな手の中に何かを握って私に差し出した。

握られていた手を開くとそこにはまだ青いドングリ。


「わあ、ドングリ! まだ緑色だけど、この前の台風で落ちちゃったのかな? 幼稚園で拾ったの?」

「うん。お庭の探検していて見つけたんだ。ママに見せてあげようと持って帰ってきたの」

「ありがとう!」


ドングリは斗和の手から私の手のひらにコロンと転がった



「赤ちゃんにもあげたいな」


秋の気配を感じるようになってきたこの頃、私たち家族の一番の関心事は私のお腹の中だ。来月にはもう一人増える予定になっている。
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