直感的結婚~恋はこれから~
名前を呼んだだけなのになぜか照れてしまって、俯く。
でも、結婚するのだから専務と呼ぶのはおかしい。慣れるようにしないと。
「うん、いいね。美琴の声で呼ばれると」
「えっ? そんな私の声なんて……」
なにを言い出すのかと顔をあげると初めて見る目尻を下げて優しく笑う顔がすぐ前にあった。
心臓がドキンと大きく跳ねる。こんな優しい瞳に見られたら一瞬で恋に落ちてしまいそうだ。
だけど、まだどんな人か全然分かっていない。何も出来ずにいた私に手を差しのべてくれた人だけど、本当にその手をつかんでしまっていいのか悩む気持ちがこの一週間ずっとあった。
「美琴、行こうか」
「はい」
泰士さんの腕に手を軽く回して、歩幅を揃えるようにして歩く。
「こちらです」とスタッフの女性に誘導されて白いドアの前で足を揃えて立つ。
小さく深呼吸しているとそのドアが開けられる。ドアの向こうにはパーティルームでもあるのかと思っていたが、そこは庭だった。
「新郎新婦の入場です。皆さん、拍手でお出迎えください!」
マイクを持っているのはなんと社長。まさか社長が司会を?
でも、結婚するのだから専務と呼ぶのはおかしい。慣れるようにしないと。
「うん、いいね。美琴の声で呼ばれると」
「えっ? そんな私の声なんて……」
なにを言い出すのかと顔をあげると初めて見る目尻を下げて優しく笑う顔がすぐ前にあった。
心臓がドキンと大きく跳ねる。こんな優しい瞳に見られたら一瞬で恋に落ちてしまいそうだ。
だけど、まだどんな人か全然分かっていない。何も出来ずにいた私に手を差しのべてくれた人だけど、本当にその手をつかんでしまっていいのか悩む気持ちがこの一週間ずっとあった。
「美琴、行こうか」
「はい」
泰士さんの腕に手を軽く回して、歩幅を揃えるようにして歩く。
「こちらです」とスタッフの女性に誘導されて白いドアの前で足を揃えて立つ。
小さく深呼吸しているとそのドアが開けられる。ドアの向こうにはパーティルームでもあるのかと思っていたが、そこは庭だった。
「新郎新婦の入場です。皆さん、拍手でお出迎えください!」
マイクを持っているのはなんと社長。まさか社長が司会を?