直感的結婚~恋はこれから~
「私は……明るい家庭にすることを誓います。泰士さんと共に歩いていくことを誓います。それと……えっと、幸せになれるようにしたいと思います!」


あれ?

誓うんじゃなくて願いというか意気込みになってしまった?


「はい、お二人ともありがとうございました」


私の曖昧な誓いの言葉に触れられることなく式は進められていく。

誓いの言葉はそれほど重要ではないのかもしれない。もっと適当に言ってもよかったかも。


「えーここで指輪の交換と行きたいところなんですが、実はまだ指輪が出来上がっていないので、それはお二人でこっそりとやっていただくとして、次に進みます」


サイズとどんなデザインが希望かと三奈子さんに聞かれた。シンプルなものがいいとお願いしたけれど、今日には間に合わなかったらしい。

急だから間に合わないのが当たり前かな。他のことが間に合ったのが信じられない。

今結婚式をしているのもまだ信じられない。


「さて、結婚式のメインイベントといわれる誓いのキスをしてもらいましょう。どうぞ!」


妙に張り切った社長の声に私の体はビクッと揺れる。
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