直感的結婚～恋はこれから～
泰士さんの結婚宣言に私もつられて頭を下げた。
まだ結婚したという実感はないが、祝福の拍手がまた沸き上がる。

みんなが笑顔で喜んでくれている。そんな中で私の笑顔は自然だろうか？

いろんな気持ちが入り混ざり、何をどうしたらいいのか分からない。彼に任せておけばいいかな。


「美琴、笑って」

「え？ あ、はい」


いつのまにか目の前にカメラマンが来ていて、カメラを向けられていた。泰士さんの腕に手を置き、笑う。


「新婦さんの表情がかたいですね。今の幸せな気持ちで笑ってくださいねー」


とんでもない要求だ。今幸せかどうかと聞かれても幸せだと断言出来ないというのに。要求に応えようと必死で笑うがどんどん変な顔になってしまう。

カメラマンが困ってしまって、苦笑い。

私も困っています。

どんな顔が幸せな顔なのか分からなくなりました。


「美琴は世界で一番かわいいよ」


耳元で囁かれる突然の言葉に驚くと頬にキスをされる。

カメラマンはシャッターチャンスと言わんばかりに何度もシャッターをきる。目を丸くする私に彼は優しく笑う。
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