直感的結婚~恋はこれから~
新婚初夜に遠慮なく泊まる弟に呆れてしまうけど、少し安心した。式よりもさらに緊張するのが分かっていたから、幸哉には少し感謝したい気持ちもある。

でも、私は浅はかに考えていたようだ。


「じゃあ、幸哉くん、おやすみ」

「はい、おやすみなさーい」


リビングで軽くつまみながらワインを飲んで、談笑したあと、それぞれがお風呂に入った。

幸哉が寝る布団はリビングに敷いたが、私はどこに寝るんだろうと思っていると泰士さんに手を引っ張られる。


「ここが寝室だから」


連れてこられた寝室には大きなベッドが置かれていた。ダブルベッドよりも大きいようだ。


「大きいベッドですね」

「うん、美琴と寝るために新調したよ。今日まで間に合って良かったね」

「あ、はい……」


シングルベッドが二つ置いてあることを想像していたから一瞬呆けてしまっていた。

夫婦なのだから1つのベッドに寝るのはおかしいことではない。でも、夫婦であってもまだお互いに好きとはいえない関係の私たち。

こんな状況で1つのベッドに寝て、何をするの?
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