直感的結婚~恋はこれから~
「車で通っているんですね」

「帰りが遅くなることもあるからこの方がらくなんだ」


仕事は深夜までかかることも少なくなく、自分の好きな時間に帰れる車の方が便利だという。

確かに満員電車で揺られるよりは快適だ。


「帰りは俺の方が遅くなるから美琴は電車で帰ってくれる?」

「はい、分かりました。遅くなるってどのくらいですか? お夕飯はどうします?」

「んー、今日中に帰れればいい方かな。夕飯は適当に食べるから俺のことは気にしないで美琴は好きなものを食べて。帰りも待たなくていいから先に寝ていていいよ」


夕食の準備はしなくていい、先に寝ていてもいいとはなんてらくなんだろうと思うけど、寂しくも感じる。

出来るだけ起きて待っていようかな。

一緒に暮らし始めたとはいえ、幸哉がいたから二人だけの時間は少なかった。幸哉が夕方から出掛けたときに二人だけになったくらいだ。

泰士さんも私より幸哉と話している方が多かった。二人が仲良く話しているのは見ていて嬉しかったけど、私とももっと話して欲しいなと思った。
< 33 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop