直感的結婚~恋はこれから~
「お疲れ。問題はない?」

「はい。段取りに関しては全く問題はないのですが、平井が……」

「平井がどうした?」

「風邪を引いたらしくて、一応来たことは来たんですが、辛そうにしていたのですぐに帰らせました」


森さんは平井さんのことを報告したあと、黒縁メガネのブリッジを押し上げた。


「平井さん、悪化しちゃったんですね。大丈夫ですかね?」

「今日は病院休みだから明日の様子次第で病院行くかなと言ってたよ」

「平井はいつから具合が悪そうだったんだ?」

「私が気付いたのが一昨日です。声が少しかすれていたので聞いたら喉が痛いと言っていました」


平井さんは私より一つ年上の男性。会社の中で一番年が近いこともあり、細かいことまでいろいろ教えてくれていた。

話すことが多いから彼の異変に気付いて、持っていたのど飴をあげたけど大して効かなかったかな。

昼休みに外出した時、薬を買ってきてあげたらよかったかも。

森さんはレストランのスタッフに呼ばれて、どこかに行ってしまった。
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