直感的結婚~恋はこれから~
何でしょう?


「熱心なのはいいことだけど、今はゲストなんだから楽しんで。内容とか知りたかったら森に聞けば資料をくれるよ」

「分かりました。森さんにあとで資料を借りるようにします」


結婚式の最中にメモを取るのは失礼になるかもしれない。彼の言う通り、今はしっかり料理を味わって、しっかり内容を見ておこう。


「皆さま、もう一度庭にお集まりください」


司会者の案内で私たちはまた庭に出る。食事は全て終わり、式は終盤にさしかかっていた。通常ならあとは親への感謝の言葉と花束贈呈となる。

庭でやるのかな?

薄暗くなっていた庭はライトアップされていて、幻想的な灯りはとてもきれいで庭に出たゲストはみんな歓声をあげていた。


「とても素敵ですね」

「これが二人の一番のこだわり。希望を叶えるために森たちが頑張っていたよ」


うちの会社は依頼者が幸せになるためにお手伝いをする。今この中で誰よりも幸せそうに見えるのは新郎と新婦だ。

二人の笑顔のために頑張った森さんも端で微笑んで見ている。なんて素敵な仕事なんだろう。

私は泰士さんの腕に手をかけて、彼を見上げた。
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