直感的結婚~恋はこれから~
「ん?」

「ありがとうございます」

「なに? どうした? 何で突然お礼?」

「ハピトラに入れてくれて、ありがとうございます」


ハピトラに採用してもらったから、この素敵な時間に立ち会えた。幸せな笑顔を見るとこちらまで幸せになれる。これは私に出逢ってくれた泰士さんのおかげ。


「それは俺と結婚して良かったという意味?」

「あ、そ、そういうことになりますね」

「そこもありがとうと言って欲しかったな。まあ、それはそのうちね。このあと、ホテルに行く予定だから」

「ホテルですか?」


泊まるのだろうか?

でも、明日は仕事だし。

幻想的な灯りの中での花束贈呈は本当にきれいで感動的だったが、このあとなぜホテルなのかとそればかりを私は考えていた。


レストランを出て、連れてこられたのはホテル最上階にあるラウンジ。昨日の観覧車よりも高い場所にあるラウンジからの夜景に私は一瞬言葉を失った。


「美琴?」

「すごい……きれいです。宝石箱のような夜景とか聞いたことありますけど、それがぴったり当てはまるような……本当に素敵ですね!」
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