おやすみ、おはよう。
「…ほら見てみろ。明かりが見えてきただろ。」

隼也が指差した方向を見てみると、丘の上に小さな集落が明かりを灯していた。

「俺の家はあそこにある。もうちょっとだから頑張って歩けよ。」

「うんわかった。」

隼也と話してるうちに敬語は自然と抜けていた。

2人で歩いている間にお互いのことについて話したけど、私と隼也は同い年の18歳であることがわかった。私は高校に通っているけど、隼也は大工さんをしているらしい。


「ほら、ついた。俺ん家。」

丘の上の小さな集落の一番端の小さな家が、隼也の住んでいる家。
とても小さい木造の家で、今にも崩れてしまいそうだ。歪んだ窓が海風に揺られてガタガタいっている。

「ボロいけどほら、入れよ…」

「お邪魔します…」

小さな玄関を通って、家の中に入った。カーテンが閉められていない窓の外からは、月明かりに照らされた海がぼうっと光っていた。
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