おやすみ、おはよう。
「ちょっと汚いけどさ、ほら座れよ。」

私の後から隼也が電気をつけて入ってきた。
薄暗い部屋で小さいテーブルを二人で囲んで座る。

「改めて俺は滝川隼也。ここで一人で暮らしてる。」

「私は岡崎芽衣。よろしくお願いします。」

改めて2人で挨拶をする。

外では暗くてわからなかったけど、隼也、とても綺麗な顔してる。
くるくるして少しはねてるけど柔らかそうな黒髪に、きりっとした綺麗な目。整った鼻筋に白い肌。思わずじっと見つめてしまった。

「さっきは急いで悪かった。今日はそとに出ちゃいけない日だから早く家につれてきたかったんだ。」

「え、外に出ちゃいけない日って?」

「ん〜、お盆みたいなもんだよ。この世とあの世が繋がる日。外に出てるとあの世に行っちまうって言われてる。だから誰も外いなかったろ。」

「へぇ…そうなんだ…」

隼也に会えなかったら今頃あの世行きになってたかもしれない…
ん?でもどうして隼也は私がいることがわかったんだろう?

「ねぇ、どうして隼也は私が外にいるってわかったの?」

「あぁ、なんとなく、悪い予感、みたいな?」

「ふ〜ん…」

隼也って不思議な人。

「芽衣、お前さ、帰れないって言ってたよな。俺の家しばらく泊まっていけよ。」

「え!?」

突然の言葉に驚く。
泊まるって…さっき出会ったばっかだし、その、一応男と女だし…

でも、他に行くところがないし、ここがどこかもわからない。お世話になるしかないか。

「わかった。ありがとう。」

「おう。」

こうして隼也との生活が始まった。



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