なっちゃん、こっちへおいで。
なっちゃんにも、そして僕にも
ほかに友達がいなかった。
なっちゃんは僕と違って底抜けに明るいのに、意志の強いところが他の人には少しわがままに見えるみたいで
子どもの頃から、女子とうまくいかなくてメソメソ泣いているのを何度も見た。
でも僕は嫌なものを嫌だと全身で伝えられるなっちゃんが、とても眩しく見えた。
なっちゃんは家が近い幼馴染というだけの僕にとても優しいけれど
本当は僕たちは、違う世界の人間なのだと思う。