キミを奪いたい



「あやの、ほんとに病院行かなくて大丈夫? 診てもらうだけ診てもらった方がいいんじゃない?」

「……大丈夫。寝てれば良くなるよ」



そうお兄ちゃんには言ったけど、寝込んで三日経っている今でも体調が良くならないところをみると、やっぱり精神的にやられてるんだと思う。



精神的に落ち込んで寝込むなんてこと今まで一度もなかったから、結構きついなぁ……。


……なんて弱音を吐いても、それは全部自分のせいだからしょうがない。


なにもかも、自業自得だから。





「とりあえずゆっくり寝てな。そろそろお昼だし、何か消化の良いもの作ってくるな」

「……お兄ちゃん、ありがとう」

「ん」



お兄ちゃんは私の前髪をふわっと優しく掻き上げたあと、笑みを浮かべたまま部屋を出て行った。
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