キミを奪いたい



「あー、でもさ、入ってくれるのは嬉しいんだけど、今ウチちょっとゴタゴタしててさ」

「そういえばさっき怜乃さんが余裕とか何とか言ってたね」

「そうそう。最近新しいチームが出てきてさ」



瑠衣のその言葉にドキッと心臓が不穏な音を立てる。


それと同時に自然と視線が下がっていき、膝の上に置いてある自身の拳をキュッと強く握りしめた。



「そのチームが喧嘩売ってきてるの?」

「んー、ウチにっていうより、ここら一帯に喧嘩売りにきてる」

「うわ、元気だね」



陽気に笑い合う二人に反して、私の心は複雑な気持ちでいっぱいで。


リョウとは別れたはずなのに、なんでこんなにも後ろめたいんだろう……。


やっぱり、付き合ってたっていう過去を隠してるからかな……。

< 147 / 476 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop