キミを奪いたい



そんな憂鬱な気持ちを抱えたまま三日が過ぎたころ。



「あやの、一度病院に行って点滴でもしてもらったら?食欲なくてあんまり食べてないだろ」



一向に治る気配のない私をみて、お兄ちゃんが病院へ行くことをすすめてきた。


食べられたら心配かけることもないんだけど、全くと言っていいほど食欲がなくて。



「……うん、行ってくるね」



これ以上心配かけたくはないから、お兄ちゃんの言うとおり病院に行くことにした。


行きはお兄ちゃんに送って貰って、帰りは緋月のメンバーに迎えに来てもらうことに。








「ありがとう、お兄ちゃん」

「ほんとに中までついて行かなくても大丈夫か?」

「うん、大丈夫だよ」



病院の正面玄関で降ろしてもらい、時間に余裕がありそうだったから、ゆっくりとした足取りで内科へと向かう。


予約していたおかげで、割と待ち時間も短めで診てもらえることができた。


点滴中もやっぱりリョウのことを思い出しちゃったけど、そんなに深く考え込むこともなく、割とリラックスした状態で点滴は終了。


終わったときにはなんだか心が晴れやかになっていた。


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